パリ広場

projetdelundi2008-01-07

(きのうのつづき)住吉神社の脇を通り抜けて坂を上がると隅田川の広々した川面が眼前に広がった。
雨は上がっていた。黒っぽい雲に青空の穴が空いて、そこから差し込んだ冬の光が、水面に、川沿いの散歩道にあふれていた。
あたりは下町らしい景色から高層マンションの建ち並ぶ景色に変わって、銀座のほうへ渡る立派な橋と、向こう岸には東京のビルがきりもなく林立するパノラミックな光景が一望された。
パリ広場という立て札があった。
隅田川に浮かんだ島の舳先に石畳が敷かれて広場になっている。時おり観光船が橋の下をくぐり抜け、犬を連れたひとが川沿いの散歩道を歩いている。その眺めはたしかにサンルイ島である。
ここにあるベンチは東京でも指折りの気持ちのよさだ。
とても静かだった。かすかな波音だけがしているところへ、遠くから聞こえるエンジン音がだんだん大きくなってきたかと思うと、船の起こした大きな波が騒がし岸辺を打って、船が遠ざかるとともにまた静寂が戻る。
佃島名物のレバーフライを肴に缶ビールを飲むピクニッケをいつかやろうと思った。