ネーナ・ガーランド姫の夢物語2

projetdelundi2008-01-08

1週間前のつづき
「ネーナ様、起きてください。お父様に叱られますよ」
「ふぁーい。むにゃむにゃむにゃ」
しかし、そうやって起こされる度にいちいち目を覚ますのが億劫になってきたネーナは、そのうち、眠ったまま返事をする術を身に付けました。
ネーナが実は眠ったまま返事をしているのだということは、王様もまだ気付いていません。というのは、当のネーナ自身でさえ、長年そんなことをやってるうち、いま自分が起きているのか寝ているのか、だんだん区別がつかなくなってきたからです。
「そんな変な人がいるわけないじゃないか」と疑う人はこういう実験をやってみてください。
まず、5日間ぐらいずっと起きっぱなしになって、眠くて眠くてしょうがない気分に自分を追い込みます。(こうするとネーナと同じくらい眠くなれます。ネーナはいくら寝ても寝てもいつもそういう状態なのです。)
そしたら、24時間ベッドの中にいて、ずっと目を閉じっぱなしにして、何もしないで寝たり目覚めたりしてみてください。すると、4日目ぐらいに、ネーナのように、自分が目覚めているのか夢の中にいるのか、区別がつかなくなってきます。
そういうわけで、これからお話するネーナの物語は、当のネーナでさえも、夢なのか、現実なのかわからないような、変なことばっかりなのです。
(イラスト=ネーナはじつはいま眠っています)