絵本

projetdelundi2008-03-09

保育所のひとに「虎太郎君(1歳、11キロ)は食べることに関して発達が早いですね」といわれた。
同年齢の子では及びもつかないほどの食欲で、アクロバティックに食べ物を口に運ぶらしい。
頭脳はさほどでもないといわれているようであり、思い当たる節がないわけでもないのでちょっと悔しくて、巻き返しをはかるべく英才教育を開始した。
絵本を読むと知能が発達するという話をどこかで聞きかじり、朝な夕な猛烈に読み聞かせをはじめたのである。
話は真実だったようで、ほどなく言葉に反応しはじめた。
「にんじん 好きなの だーれ」
という一節を読むと「はい!」とばかりに(無言で)勢いよく手を挙げるようになったのだ。
よろこばしいことではあるが、これも食欲がらみであることが多少気にはなった。
すると、別の場面でも「はい!」をやりはじめた。
やっぱりゴハンのときだった。おかずをスプーンですくって持っていくと、口へ入るまで遅すぎて我慢できない、といった感じでスプーンを掴み、勢いまかせに自分で口のなかへ突っ込む。前しか生えていない歯で3、4回噛んだと思ったらすぐ飲み込む。
飲み込んだと思ったら「はい!」とすばやく手を挙げる。まだ腹一杯になってない、ぼくはまだ食える、と絶えず主張しなければ、食物の供給が途絶えるのではないかと恐れるように。