2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

カトリック神田教会

この教会のそばの、交差点の角に建つ交番はちいさな洋館だった。漆喰のクリーム色の壁に緑色の木製の窓格子が素敵である。いまは使われていないけれど、どこかに移築されてずっと大事にされればいいと思った。 カトリック神田教会は石造りの古い教会である。…

お願い

皿を洗っているときパジャマのズボンを降ろすのはやめてください。

ケーニッヒ

井の頭公園の入口近くにあるソーセージ専門店。 創業者はドイツでソーセージを食べ歩いた末にいちばん味が気に入った店で2年間修業した。 もともと食肉業を営んでいた縁もあり優れた品質の肉を仕入れることができる。 豚は埼玉産の肩肉。牛は黒毛和牛のスネ…

サトウのメンチ

吉祥寺の商店街にはいつも長い行列ができている。サトウのメンチを買うひとびとである。 たしかにここのメンチには1時間や2時間の行列に耐える価値はあるだろう。普通のメンチのように肉が固まりきってはいない。肉がやわらかくほどけ、レアで生々しくて、…

ダンディゾン2

きのうのつづき。 国内外限らず安全でおいしいものを厳選。素材の味を活かしたシンプルなパンを提供するのがコンセプト。Dans dix ansとはフランス語で10年後の意味。安全・安心の素材が10年後には当たり前のものであってほしいという願望がこめられている。…

ダンディゾン

吉祥寺のパン屋。何度もリピートし、もうじゅうぶん知っている味なのに、ここのパンは漫然と食べ流せない。真剣に向かい合うことを要求するように、目から舌からパンが訴えかけてくる。 素材の持ち味がぎりぎりまで引き出されていることがしっかりと感じられ…

ルルドの洞窟

最近の妻の口癖は「わたし、修道女になりたいの」というものである。彼女によると、修道女はあらゆる乙女の憧れだという。 修道女はピュアである。セクシャルなものから、あるいは世の中のあらゆる雑事から、遠く隔たれている。祈ることが生活の中心にあり、…

東京カテドラル

この教会には外観だけでひとを圧倒するようなものがある。前にきたときにも青空のなかでアルミの外壁が眩しいほどに輝いていた。この日もそうだった。偶然にちがいなかったが、この教会は空を我がものにしているのではないかという錯覚が起きた。 恐る恐るド…

ネーナ・ガーランド姫の夢物語6

先週のつづき ある日のこと、モナコ公国で開かれた「世界王様会議」に出席していた王様が帰ってくるというので、ネーナも王様の居城に出かけてお出迎えすることになりました。 「さあ、ネーナ様、馬車が着きました。お支度をして、早くお乗りください」とネ…

上野

パニッック7のHPで一月のピクニッケの写真が見られます。 『パニック7ゴールド』はコンビニで売っています。

父を食べる

脳内メーカーという脳の中味を診断するサイトがあるそうだが、虎太郎(11ヶ月、体重11キロ)に関してはその必要はない。頭のなかの90%以上はまちがいなく食べることで占められている。 1日4回食事をする。おやつなどはなく、ちゃんとした食事をがっつり4…

雪景色

きのうのつづき。 雪は日常見慣れた風景を白く覆って現実離れしたものに変える。だから雪が降った日にはなるべくいろんなところを歩きまわって現実離れした風景を見物したいのだが、寒さに負けてそうもいかなかった。日曜日の井の頭公園が最初で最後かもしれ…

ネーナ・ガーランド姫の夢物語5

かなり前のつづき 「おい、おまえたち、何をやっとるか!」 ネコじいさんの言葉を聞いて3匹のネコはやっとチョコレートを口に入れるのをやめたので、ネーナは口の中のチョコレートをぜんぶ飲み込むことができ、窒息しないですみました。(安心したネーナは…

井の頭公園

皇居、小石川植物園、梅ヶ丘と渡り歩いたピクニッケ場所探しは井の頭公園に落ち着きそうだ。 井の頭公園といえば桜が有名で池のまわりにはたくさんの桜の木がある。春になったらこの枯木がすべて薄紅色で覆われるはずだ。と想像するわたしの頭のなかだけ春が…

吉祥寺へ行くバスの窓から駅前広場に立つイチョウの木と青空が見えた。 すべての葉を落とした黒い枝々はアンテナのように空へ向かって延びて、そこには数十羽のスズメだかムクドリがすずなりに止まっている。 ちいさな鳥たちは一斉に飛び立つ。 厳密にいえば…

本郷

本郷三丁目に大正時代のモダニズム建築が残っている。 まるで文化財のようなビルでも、建っている限り住んでいるひとはいるはずだ。憧れながら見ているだけでなく実際に住んでみたらどんな感じだろう、とふと思いたち階段を上がった。 踊り場でタバコを吸っ…

きのうのつづき。 建物の骨董品。小石川植物園本館の建物はさしずめそんな感じだった。 ベージュの壁に焦げ茶の格子窓というカラーリング。側面から見るとその窓は単なる窓ひとつひとつでしかないのだが、正面までやってくるとそれが増殖し連続して塔全体を…

梅ヶ丘

ちかごろのわたしたちはピクニッケ場所を探す巡礼をしている。 小石川植物園で食べようと狙っていたイタリアンのデリが2月からいきなり神楽坂に移転していた。困った。 いくらいい場所いい公園をみつけてもおいしいゴハンがテイクアウトできなければピクニ…

近代建築

きのうのつづき。 いってみるまで知らなかったのだが、小石川植物園にはたくさんの近代建築が散在していた。 古ぼけた建物が雑木林や並木の彼方から不意に視界へと登場し、風景の残骸感をいっそう高めるのだった。 先日触れた旧東京医学校がそうである。『三…

温室

きのうのつづき。 古風な温室があった。廃墟の匂いがして心が騒いだ。 まだ世界旅行が珍しかったころの夢の残骸、そういう感じがした。ガラスのなかで保存されているのは植物というより、植民地を争い合った時代の帝国が見た南洋への夢である。 建物の中央部…

つつじ園

なにを見てもパリに例える悪い癖がある。小石川植物園はパリの墓地に似ている。それもモンパルナスよりペール・ラシェーズに。 すべての特徴が一致している。住宅地に忽然と現れる。丘である。空気が緩んでいる。空地のような、雑木林のような。放ったらかし…

木の上に鳥が巣をかけていた。見上げる冬の空が高かった。

東京は坂の多い町だが上がったからといって上からの眺望が保証されているわけではない。 多くは背の高いマンションによって遮られている。たとえば富士見坂という坂は多いがその場所から遠くの景色が見えていたということ自体もはや信じられないほどほとんど…