2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ペタンク

芦屋川沿いの公園で重たい鉄の球を投げあっているひとたちがいた。 パリの公園でよく見かけたペタンクを日本で見たのははじめてのことだった。 ルールはカーリングに似ているだろうか。プレーヤーはそれぞれ2個の球を持ち、中心点に誰がいちばん近く投げら…

夙川公園

大阪と神戸のあいだにある夙川というところへ行った。ピンク色のゴシックの教会が住宅地にヨーロッパの雰囲気を振りまいている。至聖所では、聖テレジアという修道女の描かれたステンドグラスが、アールデコ風の祭壇と木の十字架を照らす。「幸せな人」とい…

まるき製パン所

京都は四条大宮の駅から細い路地をずっと南へ下っていく。古い木造の住宅がつづく。ときどき老舗らしき染物屋が見られる。ここは職人の町なのだろうか。 ひとびとの生活があるだけで観光客の目を引くものもなさそうな一見地味な町に、まるき製パン所はある。…

ボン・ボランテ

店の前に薪が積まれたパン屋が河原町通りにある。この薪は飾りではなく、土を固めて作った本物の窯にくべる。 店の名はボン・ボランテという。薪釜を見ただけで「この店はうまい」と自分のなかで決めつけてしまい、食べたくてしかたなくなった。最初にいった…

靭公園

ブランジュリ・タケウチは大阪の有名店。ドアの前にはガードマンが立っている。ひきもきらずお客が押し寄せるために交通整理をしているのである。 このパン屋に並ぶパンの形はモダンアートのようだ。球や四角などシンプルで普遍的であって、きっとおいしいパ…

オーボンヴュータン

東急大井町線の尾山台。よほどのことがない限りほとんど降りる可能性のない駅にオーボンビュータンはある。 ずっと行ってみたくてやっとたどりつけた。 駅前からいい感じの商店街をずっと歩いて終わりかけたところ。東京の中心からこんなに離れていて名店の…

小川の水面にしだれかかる紫の萩。これは去年のいまごろ撮った向島百花園の写真である。 百花園でピクニッケしたのは9月22日のこと。なぜ日付まで覚えているかというと、萩の満開の日を公園のひとに尋ねたら「9月22日」という答えが返ってきて、それが…

京都教会

イコンのかかった金色の壁、金色のシャンデリアが、時間の降り積もった薄暗い空間に鈍い光を放っていた。ハリストス教会(ロシア正教)のミサに参列するのははじめてのことだった。すべてが司祭と合唱隊が歌う賛美歌のかけあいによって進行していく。ロシア…

大阪教会

ヴォーリズが建築したレンガ造りの教会が大阪の中心部に残っている。大阪教会というプロテスタントの教会である。 教会役員をされているという、キリスト者らしさにあふれた親切なご老人に案内をしていただいた。1922年献堂というから築80年にもなるのに、中…

欲望

大阪でとても驚くのは商店街の猥雑さである。どの店も自己主張がものすごく、一直線につづく商店街のずっと先まで派手な看板が争い合い競い合って自分だけ目立とうとしているので頭がくらくらする。パチンコ屋やカラオケ店の店先からは歌謡曲が聞こえてくる…

ホホエミ

京都でもときどきピクニッケした。 加茂川の河原でホホエミのベーグルを食べた。東京でも出遭えないようなすばらしいものだった。 皮を噛むと破れるときの音がぷちっと聞こえるように張りつめていて、中味はバネのようにすばらしい弾力を持っている。中味の…

京都上リ下リ7

夷川通りという家具屋が建ち並ぶ通りがある。これも二条の一本北側で、寺町通りから入っていく通りである。 白いタイルを貼ったレトロな近代建築の店もあれば、木造の店先に渋く光る青い瓶をたくさん置いた老舗もあり、ほとんどガラクタのようなコマゴマした…