目白聖公会

projetdelundi2008-05-18

1929年に建てられたロマネスク様式の教会。
暑い日だったけれど中に入るとひんやりしたのは石造りだからなのだろう。教会に足を踏み入れたときに独特の神聖な感覚はなんだろうとよく疑問に思うのだが、温度のような皮膚感覚も関係があるのかもしれない。
キリストの生誕にまつわるステンドグラスが壁面を飾っている。一枚一枚を追っていくとおもしろかった。東方の三博士をキリストのいる馬小屋に導く目印の星を、天使が手に持って夜空でホバリングしているのとか。こういう絵を見ていると、偶然のように見えるあらゆることが実は目に見えない天使のアシストのおかげかもしれないという想像が働きだす。
おごそかな口調からしてこの教会の神父さんと思われる年配のかたが金のドアノブをずっと拭き掃除していた。この教会の創立当時と変わらない部品だとしたらもう80歳になる真鍮のドアノブをこれでもかこれでもかというぐらい拭きこむ。その作業をつづけながらときどき、
「写真を撮るときは脇を締めなくちゃ」
とかアドバイスしてくれるのだった。
この古い建築物がうつくしい姿を保っているのはこうした努力によるものなのだろうし、年齢も地位もあるひとが地味な仕事をこなす姿というのは無言のうちに人生の励ましとなるのだった。
関係ないけど、この教会の近くにあるエーグルドゥースの焼き菓子はとても凝っていて感動した。