食品サンプル

projetdelundi2006-09-25

根津の裏通りは食品サンプルの多い街だ。
私が子供の頃の昭和時代には、食べ物屋の入り口でまず食品サンプルを見て、何を食べるか決定してから、店のなかへ入っていた。
うっかり決め忘れて席に着いてしまった場合には、「もう一回メニュー見てくる」などと席を立って外に飛び出す者までいた。
食品サンプルを見ないと自分が何を食べたらいいのかわからないのである。
ところが、あるときから、「なんで蝋細工なんか見て、これから食べるもの想像しなきゃいけないの?」ということになった。
下手をしたら「食品サンプルのある店」=「こだわりのない店」という烙印まで押されてしまう。
こうした集団的無意識の変化は、なにによってもたらされたのであろうか?
という、あまり語られることのない奇妙な疑問が脳裏にきざすことがある。