根津、桜坂

projetdelundi2006-10-26

和服の上にカッポウ着を着た50がらみのおかみさんがひとりでやっていて、肉じゃがなど家庭料理みたいなあったかい味のお惣菜を出す。
カウンターだけの狭い店のなかにいるお客さんは、地元・根津在住の常連さんばかりでみんな仲良し。
というのはすべて想像で、写真の店に入ったことは一度もない。
『沖縄のおさんぽ』に載せた、「民芸酒場おもろ」の看板によく似ていることに無意識のうちに影響され、写真を撮ったのかもしれない。
「おもろ」の看板は、ピンクやむらさきなど水商売系の色遣いがひしめく桜坂の看板のなかで、シンプルであるがゆえに逆にいちばん目立っている。
「有名な写真家の人が写真に撮っていくんですよ」
と開店以来50年間不変の看板のことを、お店の人がちょっと自慢げに語っていた。