2006-10-04 きんもくせい 東京 いつのまにかなごやかさのなかへ包み込まれている。 きんもくせいが香っているのだ。 周囲を見わたし、黄色を探す。 谷中墓地の垣根に、あるいは民家の植え込みに、ちいさいが目に滲みるような花弁が鈴なりになっている。 そのうち、生暖かな風のなかに、ひんやりとしたものが紛れ込む。 根津の路地に夕暮れがやってきていた。