ネーナ・ガーランド姫の夢物語1

projetdelundi2008-01-01

フランスの横のアルプス山脈を越えた、イタリアの上、ドイツの下の、その横の、そのまた横のちょっと上ぐらいに、ガーランド王国という小さな国があります。
どれぐらい小さいかというと、地球儀や世界地図に載っているちゃんとした国なのに、針の先ぐらいにしか領地が描かれないので、ほとんどの人が存在を知らないほどです。
この国の王様は、初代ガーランド大王の子供の孫のそのまた孫のひ孫の孫のひ孫のひ孫の孫で、ガーランド128世と呼ばれています。
そのひとり娘がネーナというお姫さまで、目の中に入れてもぜんぜん痛くない、そのうち口の中に入れて食べてしまうのではないかとまわりの家来が心配するほど、ガーランド128世がかわいがっています。
ネーナは、王国の首都ガーランの町外れの高い山の上の森の中の湖の真ん中の小さな島にあるお城で暮らしています。
なんで、そんなところで暮らさないといけないのかネーナにもわからないのですが、お父さんのガーランド128世によると、首都ガーランのお城にはいろんな人たちが出入りしているので「悪い虫が付くといけない」というのです。
もっとも、ネーナにとって、町外れの高い山の上の森の中の湖の真ん中の小さな島というのは、そんなに悪いものではありませんでした。
ネーナはベッドの中で寝ているのが大好きだったので、そういう静かで誰もいないところにいれば、心置きなく一日中寝ていられるからです。
ネーナは放っておくと、一日24時間のうち、24時間寝てしまいます。
娘にとても甘い王様といえどもさすがに心配して、ネーナが寝過ぎないよう、ときどき人を寄越して起こさせるようにしました。[つづく」