御苑

projetdelundi2008-01-02

明治神宮には御苑がある。
ただの庭ではなく、御をつけなくてはならない。これは天皇のために作られた庭園である。
おとといの庭付き一戸建て木造物件から眺められるのはこの写真の池だ。
東京でこれほど深く神秘的な水の色を見られるとは思わなかった。その向こう側の森の眺めもまるで信州の山奥にでもいるかのようだ。
なんという木なのだろうか。細いたくさんの枝がもつれあいからみあいして長崎皿うどんの堅焼き麺みたいになっているのは。
水面に落ちた枯木にも趣がある。積み重なった時間がなにかを発散し目に訴えかけるかのようだ。
わたしたちの生きる時間とはまったく異なる時間感覚のなかにこの森この池はあって、水面がまるで波立たず静かなのは時がわずかずつしか動かないためだという想像を思った。
年末の明治神宮にはたくさんのひとが訪れていたのに、この庭にいたのは外国人の観光客数人だけで、そのひと気なさも現実離れにうってつけである。
自然の風景に手を加えずそのままを庭にしていることが素晴らしい。
(ネーナ姫の夢物語は散歩日記と交互に掲載していきます。)