おみくじ

projetdelundi2008-01-17

おとといのつづき。
おみくじのはずれがたくさん結んであった。
こんなに願い事が多いのなら神様は大変だと思った。
上野東照宮の神様は元人間の徳川家康である。人間は死んだら神様になる。神様になると人間の願いを実現できる超能力を持てるのである。
わたしも死んだらそうなるのだろうか。もしそうなったらできるだけたくさんのお願いをかなえてあげたい。
明治神宮なんかは初詣に1千万人ぐらい訪れる。明治天皇ひとりで1千万人も面倒をみてるのだから大忙しだろう。
もっとも全員の願いを聞き届けるわけではない。適当にスルーするお願いもある。「1億円くれ」とか無茶なお願いは当然かなえてもらえない。
普段の行いや賽銭の額もチェックしてからかなえるかなえないを決定するのだろうか。そうだとしたらお願いをかなえる仕事以外にリサーチの手間もかかるのでますますたいへんである。
家康様に手を合わせたあと参道を戻っていたら妻がいった。
「ボランティアというのは他人のためにするんじゃないんだよ。自分が気持ちがいいからするんだよ。神様は自分が気持ちがいいからひとのお願いを聞いてあげてるのかもしれないね」
お願いする人間によって神様が生かされている。
お願いをするひとが誰もいなくなったら神社はなくなるし、神様もなくなってしまうだろう。
でもそんな日は決してこない。わたしだって神様なんて信じているわけでもないのに、神社や寺を通りかかるたびに神頼みばかりしている。
手を合わせるとなにも考えなくてもまず子供の健康をお祈りするようになった。子供ができる前には自分がそんなふうになるなんて思ってもみなかった。