カトリック神田教会

projetdelundi2008-02-29

この教会のそばの、交差点の角に建つ交番はちいさな洋館だった。漆喰のクリーム色の壁に緑色の木製の窓格子が素敵である。いまは使われていないけれど、どこかに移築されてずっと大事にされればいいと思った。
カトリック神田教会は石造りの古い教会である。石壁の前に置かれた白いテーブルが、パリのカフェを思いださせた。
門前には写真のような花が咲き、みつばちがやってきていた。
教会のなかは音がとてもよく響く。
妻は虎太郎(11ヶ月、11キロ)を連れていちばん遠いところへ、わたしから数十m離れた祭壇のすぐ前まで行っていたのに、
「あーあーあー」
「静かにしようね」
と、まるですぐ近くで2人が話しているように聞こえて不思議である。語尾には、カラオケボックスでエコーつまみを最大にしたみたいに細かいビブラートがずっとかかっていた。
「これ、あなたの分」と戻ってきた妻に紙片を渡された。「みんなそれぞれ自分のことが書かれていたよ」
教会にもおみくじがあるのだ。封を解くと聖書から抜き出された教訓が書かれていた。
虎太郎のおみくじはこうだった。
「荒れ野でも、あなたたちがこの所に来るまでたどった旅の間中も、あなたの神、主は父が子を背負うように、あなたを背負ってくださったのを見た。」
たしかに虎太郎はわたしに背負われながらこの教会へやってきたのだった。