白いマンション

projetdelundi2008-03-15

原宿を歩いていたらヴィラ・ビアンカがあった。集合住宅の名作として雑誌でいつも取り上げられる物件だが、実際に見る印象も写真とほぼ同じであった。あ、ここにあったのね、という感想だけ抱いて、ちょっと建物を見上げて前を通り過ぎた。
その隣に建っていたのが右の写真のマンションである。どこにでもありそうな古い建物なのに、なぜか素通りできない魅力がある。
白い外壁はギリシアを連想させる。四角いでこぼこの組み合わせが奇妙な親密さを感じさせるところは、マレーヴィチの彫刻を思わせる。
よく見ていると、きのこのような煙突や黒い時計も目に入ってくるし、屋上の手すりには、ぜひあれにつかまって外を眺めやりたいと思わせるような気持ちのいい感じがある。
どこから見てもかっこいい、とんがった建築もいいけれど、なにかの弾みでふと目に飛び込んできて忘れられなくなるような、不思議なさりげなさのある建物がいい。