ぴったりしたひと

projetdelundi2008-03-16

ぴったりしたものは気分がいい。
気持ちとぴったりした言葉が見つかると晴れ晴れするし、計量カップで水を量るとき、一回目のトライアルで見事目盛りの線上に水面がきていると、なんだかわからないが天上に昇っていくような幸福感に包まれる。
代官山を歩いていたら、ぴったりしたひとが前を歩いていた。
洋服のぴったり具合と着崩し具合のバランスが最高なのだった。
肩幅はジャストなのに腕はだぶだぶ。広めの襟口からほっそりした白い首が歩くたびに揺れているのが見えた。
その他アイテム同士の色合いのぴったり具合、テイストのぴったり具合もそれぞれすばらしかった。
写真を撮っておこうと思ってカメラを出そうとするあいだにも前を歩く背中からどんどん距離が離れていく。やっと追いついてカメラを構えて画角を決めて...とやっているうちにまた遠ざかっていく。
追いついたり離れたりを繰り返しながら何度目かにやっと撮れた。うしろからひとがつけているのってけっこう気づかないものである。