京都上リ下リ4

projetdelundi2008-08-29

わたしはお茶好きであってコーヒーはあまり口にしないので味の判断には自信がないが、六曜社という喫茶店で飲んだアイスコーヒーはやたらうまかった。苦みがさわやかなのである。店に入ってきても座らずに豆だけ買って帰るひとが多いのも、たぶんここのコーヒーがおいしいからなのだろう。とても混んでいてコーヒーが出てくるまで30分待った。東京でそんな羽目に遭ったことはない。それだけ丁寧にいれているということなのだろう。
町家を改造したカフェで紅茶を頼んだら30分まではいかないがやっぱり相当待った。まわりを見渡すとコーヒーや紅茶を飲んでいるひとはほとんどいなくて、みんなが水を飲んでいた。それでも不満そうなひとはひとりもいなかったので、京都ではそういうものなのかもしれない。
デパートでエレベーターに乗ったら、なかには数人のひとがいたけれど、誰も閉まるボタンを押そうとはしない。空漠とした長い時が流れたのちにやっとドアが閉まった。東京でなら耐えきれず絶対に誰かが押すはずである。京都のひとたちはドアがしまるまでのぽかんとした時間をとくに意識するでもなく普通に過ごしていた。うらやましくも気長なひとたちである。
写真は喫茶店フランソワにかけられていたシャガール