かぼちゃ

projetdelundi2008-12-14

虎太郎(1歳9ヶ月、12キロ)の最近の散歩テーマはかぼちゃである。ハロウィン以来かぼちゃが大好きになってしまった。毒々しいオレンジ色と丸くてでこぼこの怪しい形、ケタケタ笑いする裂けた口、感情を伺わせない穴だけの目が、彼の気を無限にそそるようである。
実物のかぼちゃを食べるのも好きだ。「かぼちゃ、かぼちゃ」と興奮しながら食べる。もっとも食べられるものならなんだって好きだけど。
道を歩いていても、ことかぼちゃに関してはものすごい眼力を発揮する。
近所の美容院にクリスマスツリーが置かれていた。それを指差して「かぼちゃ! かぼちゃ!」といい、食らいついてそこから離れようとしない。
「これはクリスマスツリーといってね、もうハロウィンは終わったんだよ」
父親としての威厳と余裕を微笑の中ににじませながら、わたしは我が子をやさしくさとしたのであった。
ところが、よく見ると、ツリーの枝の奥のほうの幹に近いところに、まるで間違い探しみたいにちいさいかぼちゃがぶら下げてあった。ハロウィンでぶら下げていたのを、ツリーを出すときに引き続いてぶら下げたのだろうか。
クリスマスツリーを指差して「かぼちゃ!」と大よろこびする虎太郎を、ガラス張りの店のなかから店員さんがじっと見ていたのが、なんだか恥ずかしかった。
それにしても、この前まで背負ってまわっていた虎太郎が、いまは自分で商店街を歩きまわるようになったのが、いまだに信じられないのである。