門前の文房具店

projetdelundi2006-09-28

日暮里のとある小学校の門前で、文房具店が朽ち錆びようとしていた。
ガラス戸の破れた区画にポスターを貼って繕い、植物を置いているのも、きれいなのかそうじゃないのかよくわからない。
真新しいものより、古びたものを見たときに、しまい込まれた記憶は不意に浮上する。
私にとっての、この場合のそれは、忘れ物をごまかすために、ひやひやしながら小学校を抜け出し、なわとびなどを買いに走った記憶である。
思い返しただけでいまだに動悸が速くなり、夢でも見ているように、奇妙に生々しい。
ここを通りかかったとき、たくさんのお母さんたちが門前に集っていた。
子供を狙った事件が多いので、自衛のため送迎が行われているのだろう。
この風景は私の記憶にないものだ。