言問団子

projetdelundi2007-10-24

在原業平隅田川に着いたときに詠んだ有名な歌(「名にしおはばいざ言問はむ都鳥我がおもふ人はありやなしやと)に出てくる都鳥の正体は、川伝いに海から浅草までやってきたかもめである。
いまでも言問橋を渡ると街灯の上で悠然と川の流れを見つめていて、下を通るときふんを落とされるのではないかと気が気ではない。
言問団子のお店にはこんなところにまでと驚くほどアイドルキャラクター都鳥があしらわれている。
団子の皿、従業員さんの制服の胸、会計伝票、そして灰皿まで。
お皿は明治から戦前にかけては今戸焼という浅草の焼き物が使われていた。
いまは瀬戸の陶工に依頼しているそうだが、むかしと変わらず一枚一枚手で絵付けをし、手作りしているので、どの皿も微妙に都鳥の絵の線は異なっている。
くすんだ白い色も、貫入(かんにゅう・釉面にあらわれた微少な亀裂)もいい。
「ときどき盗まれたりして少なくなってきたので今度新しいものを焼きます」とご主人は語っていた。
「今度一般発売してくれませんか? ぼく買いますんで」とは言いそびれた。
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