新企画

projetdelundi2007-11-03

U君へのメール
いままで歴史散歩に興味なかったっていうのは単なるトリビアだと思っていたからなんだけど、江戸時代(とか他の時代)の感受性になって街を見るとすごく想像力が発動してくる。
いまの東京のなかで江戸と変わらないものってなんだと思う?
花(上野の桜とか、湯島の梅とか)、老舗(グルメ・雑貨)、神社・仏閣(祭りなど習俗.風習)、道、川(井戸とか滝とか上水とか水関係)、丘(坂とか崖とか地形)、月・雪・雨・風みたいな自然現象も温暖化しているとはいえ基本的に変わらない。
むかしの人はディズニーランドに行く代わりに神社や花見に行っていた。自然への感受性が豊かだった。文明にスポイルされていなかった。
江戸の人が楽しんでいたものを自分も楽しむと自然に対する感受性が戻ってくる感じがする。そういう目で街を見るということ。
さっき挙げたものはぜんぶ連関している。老舗というのは昔の観光地、花があるところとか門前町の道筋にある。神社・仏閣は丘の上にあることが多い。
丘の上には縄文時代の古墳もある。古墳がいつのまにか神社になっていることも多い。
花は水辺。水も古代の信仰の対象だったし、集落は水辺しかできない。
月見や雪見の名所は神社・仏閣や地形や花名所が多い。
同時代の人間の考えることはだいたい似ていて、みんな古い街並が好きだったり、陶器みたいな手仕事の雑貨、ホーローみたいなレトロな雑貨に関心が向いていることと、『三丁目の夕日』などは同じ感性だと思う。
忘れていたけど、上に列挙したのに加えて、大地も江戸時代、それどころか縄文時代から変わっていないものだ。
君も好きな空地は、縄文時代が露出しているということだ。