神楽坂の隙き間

projetdelundi2007-11-23

先日、隙き間というのは現実のそばにあって現実から離れられるところだと書いた。
そういう場所がまたあった。神楽坂の裏手の白銀公園である。
戦争のとき使う守備陣地みたいに、こんもりした山がコンクリートで固められている。
てっぺん近くに横穴があって薄暗い内部に子供がたたずみ、瞑想か座禅でもしている気色であった。
高いところだけでも現実離れできるのに隙き間とコラボしているのだから眩惑度はかなり高いだろう。
これを作った人はどういうインスピレーションによってコンクリートの山に横穴という発想になったのか。
と考えたら土管の延長だと思い当たった。『ドラえもん』に登場するような古典的空地に土管は付き物である。
あれはくつろぎのベンチと現実離れステーションを同時に兼ね備えたものなのではないか。
そういえば最近ベストセラーになった貧乏本でもああいうところに住んでいた(と思う)。
この山上横穴も白金台につづいて子供物件である。隙き間というのは子供の大好物のようだ。
わたしもぜひ横穴のなかでメディテーションと洒落込みたかったのだが、常識が邪魔して踏ん切れなかった。
子供のほうが現実離れ欲に対して素直である。大人の場合は酒を飲んだり、そういう発散の仕方にいくのかもしれない。