お正月

projetdelundi2007-12-29

お正月というのはいつのまにかやってくるものである。
子供の頃はそうではなかった。それはなかなかやってこないものであった。
楽しみでしかたないので毎日そればっかり考えて、こころのなかであるいは
友だち同士で、あるいは家族の前でカウントダウンしていた。それでもなかなかこない。
いまは雑事にかまけているうちふりかえるともうすぐそばに足音もなくやってきている。
からだは感じている。日一日と昼は短くなり、ときどき小春日和の逆襲で揺り戻されながらもそれでも確実に寒さは深まって、吐く息は白くなる。
わたしは冬が恐ろしいので「まだ晩秋だ」とひとりだけ意地を通してコートを着ずにジャケットを着通していた。が、いつのまにかコートを着ていないのは街でほぼわたしだけになって、風邪を引きそうにもなったので、観念して2日前からコートを着ている。
「お正月へのリズム」があって、気候の変化がこういうふうになったらお正月、というようななんとはなしの変化のパターンをからだが覚えているような気がする。
それは無意識の気づきであって意識ではまだ気づいていない。
知識ではもちろん師走だと知っているのだが、正月気分になるのが、年を取って正月に飽きるにしたがってだんだん遅くなってきた。
ことしのわたしが正月気分になったのは、最後にジャケットででかけた2日前のことで、1月のピクニッケは初詣にしようと思って明治神宮を下見に行ったときである。
お正月用に奉納された清酒や焼酎の樽の飾り付けが行われていた。
お相撲さんが運ぶような重いものをどうやって段上に据え付けるのかと思っていたら、作業員たちは両手に2つの樽を軽々と持ちあげる。
中味はすっからかんなのであった。