上野東照宮

projetdelundi2008-01-14

上野公園のなかにある神社。徳川家康が祀られていて、日光東照宮の親戚である。
たしかに日光に似て、左甚五郎の彫り物があり、本殿は中国風に赤と金をたくさん浸かった豪奢なものである。
観光地らしいにぎにぎしさと神社らしい静けさが独特に同居していて、ざわついた気持ちになりすぎず、かといってしんみりしすぎもせずという中庸な感じがよかった。
冬牡丹が有名である。本殿へつづく道の途中に庭園の門があって拝観料五百円とある。
門の前に牡丹が飾られているので、ときどきひとが立ち止まっては「ここにあるから入らなくていいよね」といいあっている。わたしたちも写真だけにした。
ここでオヤジ趣味にまた一歩近づいたことを告白すると、わたしはさいきん歌碑(句碑)に注目している。神社や寺に石が立っていてなんか言葉が彫りつけてあるあれである。
歌碑は風景と気持ちの合体するメディアである。つまり、この風景を見ながらこのことについて考えてみるとけっこうおもしろいですけどどう? という建立者からのメッセージである。
こんなのがあった。
富貴には遠し 年々牡丹見る
財産も名誉も相変わらずないけど毎年お正月になればここへきて牡丹を見るよ、それでもけっこう幸せで楽しいよね、という句である。
これはわたしたちのことだと妻と笑った。