続サクラの旅

projetdelundi2008-04-10

先週はサクラの週だった。
いまサクラが咲いてもうすぐ散ろうとしているのに自分はこんなことをしていていいのかとなんだかソワソワしてマジメに仕事ができない。ドライヤーが壊れたことにかこつけ、電器屋へいくのにサクラの咲いている川沿いの道を通った。
両岸につづく満開のサクラが輝いてあたりを照らしているように見え、そばに立つピンク色の団地の壁すらその反映に見える。うすぐもりのぼんやりとした空もまるで春霞のようでこの風景を夢のようにすることに加勢していた。
サクラ見物をしているひとはみんな浮かれている。ちいさな男の子が木の下で踊りを踊っていた。手をひらひらさせてそこらじゅうを飛び回っている。サクラを見たうれしい気持を素直に表出しているのだろう。
織田信長も本能寺で敵に火を放たれもうすぐ死ぬというとき炎のなかで能を舞った(史実ではなくわたしの見たドラマだけの設定かもしれないけど)。そんなふうに、感極まったときの表現方法として、笑うとか、泣くとか、喚く以外に、踊るという選択肢も検討しといたほうがいいのではないか。そのためには自分なりの踊りを開発しておく必要があり、能か狂言でも研究してみたい。
わざわざサクラの木の下へやってきてゴルフクラブを振りまわしているおとうさんがいる。このひともわたしと同じようにかこつけ組かもしれないが、なんか変だ。ゴルフにかこつけてサクラを見ているのか、サクラにかこつけてゴルフをしているのか、どちらにしてもマジメに働いてはいない。
それから、小学校高学年ぐらいの少女が地面に散り落ちたサクラの花びらを拾い集めては投げていた。投げるたびにピンク色の花吹雪が宙に舞う。まるで花咲か少女の手から放たれる魔法によってこの川岸の数十本のサクラが咲いたみたいに見えた。
(写真は浜離宮公園のサクラ)