浜離宮のつづき

projetdelundi2008-04-17

菜の花畑を抜けても黄という色がついてまわった。
黄色い水仙があった。芝生のなかの黄色はたんぽぽだった。
綿毛が風で飛び散らかって着地した種がそのまま芽吹いたというように、緑のなかにぽつぽつと散りばめられていた。けれどもそれは空想で、ひとつのたんぽぽから散った種ではなく長い歴史のなかで(ひょっとしたら江戸時代から)、春がくるごとに幾年も花が咲き綿毛をつけそれが飛び散る積み重ねによって、この群生ができあがったのである。
そう考えると、あの無数のように思える綿毛からすればこのたんぽぽはむしろ少なく、花を咲かせることができなかった数えきれない綿毛があるはずだ。花が咲くことは稀であり、有り難いことなのだと気づく。
夏が過ぎればこのたんぽぽすべてがふわふわした白い綿毛をつける。そのころもういちど訪ねてみたいと思う。
(余計なことだがチュッパチャプスに綿飴バージョンがもしあったらどうだろう。たんぽぽの綿毛みたいだろうか。)