色校

projetdelundi2008-08-24

出版業界に足を踏み入れるまでは気づかなかったことだけれど、印刷のクオリティは製版技術者の力量や熱意によってまったく異なる。本屋に並ぶたくさんの本はぜんぶ同じではなくて、印刷がきれいな本もあればそうでもないものもある。
先日、印刷屋さんに手渡されたCD-ROMであるが、校正刷りとなって戻ってきた。色校、色校とみんな呼んでいるけれどなんの略だかは知らない。印刷の見本というかお試しバージョンで、これを見て「赤みをとる」とか「もっと明るく」とか特に写真の色の出方などに関して修正点を指示するのである。
『東京ピクニッケ』の色校を見ての感想は「この製版のひとすごい技術だなー」というもの。いままでの著書のうち、まちがいなく過去最高である。
本というのは著者や出版社、デザイナーの名前で語られるものであって、製版技術者について語られることはほとんどない。でもうつくしい本ができあがるには、地味で大変な仕事ではあるけれどプライドをもって作業を行ってくれる製版技術者の存在が欠かせないのである。高本さん、ありがとうございました。