ペタンク

projetdelundi2008-09-30

芦屋川沿いの公園で重たい鉄の球を投げあっているひとたちがいた。
パリの公園でよく見かけたペタンクを日本で見たのははじめてのことだった。
ルールはカーリングに似ているだろうか。プレーヤーはそれぞれ2個の球を持ち、中心点に誰がいちばん近く投げられるかを競う。ひとの球に当てて弾き飛ばしてもいい。だから最終的に中心近くに残れるような戦略も必要である。
芦屋で見かけたのは日曜日のことだったが、パリでは平日の昼間から大の大人がやっていた。このひとたちはいったいなんの仕事をして生活しているのか。と心配しながら見ているわたしも相当暇なのだが。紐の先に磁石がついた道具を持っているひともいる。腰を屈めて球を拾うのが面倒なひとはその道具で立ったままひょいと釣り上げるのである。
芦屋川公園ではクッキーを食べた。ベッカライビオブロートというパン屋で買ったもの。そのときすべてのパンがすでに売切れていて、残っていたのはクッキーだけだった。
クッキーは全粒粉からできていた。重たい味がするのではないかと思ったがそんなことはない。とにかく複雑な味がした。口のなかで割れたクッキーの細かな破片がすべて異なった味を奏でている、そんな感じがした。パン屋のひとは自慢げに石臼を見せてくれた。小麦粉はすべて店で挽くそうである。
もう2週間ぐらい前の話で、残暑がとても厳しい日だった。夕闇が迫って光が黄色みはじめた頃、温度が下がって過ごしやすくなって、一息ついた。そうした安堵感がペタンクをしているひとたちはじめこの公園全体を覆っているように見え、平和な感じがした。