鎌倉

projetdelundi2008-10-01

鎌倉の駅にあったのはキオスクではなく加藤売店だった。あじさいの金平糖や大仏の形をした飴などが売られていた。
なんで鎌倉かといえば、いつものごとくのピクニッケである。
「鎌倉を生きて出でけん初鰹」
という芭蕉の句がある。季節外れの句だけれど、おいしそうだったから記憶に残った。推測するに、江戸時代、鎌倉で獲れた初鰹は大急ぎで江戸まで運ばれてきたということらしい。鎌倉で漁業というのはぴんとこないが、調べてみると初鰹が獲れたのは小坪という漁港だとわかった。
厳密にいうと逗子市で、鎌倉からは山一つ越えたところにある。鎌倉幕府によって日本でもっとも早く人工の港が築かれたところだ。ここで獲れた魚が山道を越えて将軍様の口に入るために鎌倉へ運ばれた。
わたしの積年の夢は、ひなびた漁港に行って獲れたばかりの魚を安く食べておみやげを買って帰るというものであり、ピクニッケの誌面を借りてそれを実現してしまおうと思ったのが秘めたる魂胆である。
日曜の朝市は金田とか三浦半島のいくつかの場所にあって賑わっているようであるが、毎日行われる市場は小坪にしかない(見つからなかった)。そこで刺身に造ってもらい、砂浜か岸壁かで海を見ながら食べる計画だが、うまくいくかどうかは行ってみなくてはわからない。醤油チューチューを懐にしのばせた行き当たりばったりの旅である。