21度

去年の年末、妻と子供が帰省しているときひとりで行ったパリ広場に、今度は妻と出かけた。
http://d.hatena.ne.jp/projetdelundi/20080107/p1
先週の木曜日は雲ひとつない秋晴れの日で、高く青い空と、隅田川の流れと、どこまでも見通していける河岸の景色があった。
目の前が開けると心が開き窮屈になっていた気持ちにまで風が吹き抜ける。
花壇の縁に腰かけてビールとともに月島名物のレバーフライと焼豚弁当を食べた。
食べながら「ピクニッケの最適温度は21度」だと妻は言った。
パリのラスパイユの朝市でチーズとパンと牛乳を買ってモンパルナスの公園でピクニッケしたとき、たまたま見た温度計が21度であったことを妻はいまだに覚えていた。そのときの気持ちよさと、この日の感じがとてもよく似ているのだった。最高気温が23度ぐらいで、正午を少しまわったぐらいだったから21度に近かったはずだ。
最適温度で行われた最適景色、最適メニューのピクニッケだった。
パリ広場の斜面の草のなかでは女子高生がふたり腰かけてサンドイッチを食べていた。