雑二ストア

projetdelundi2008-12-18

雑二ストアという市場のような商店街のような闇市のようなものが雑司ヶ谷にあった。沖縄の市場によく似ている。このまえ長崎に行ったときにもこういう雰囲気の場所がいくつもあった。東京では荒川区のほうにいくとときどきある。
商店街というよりも民家が寄り集まった路地に屋根をかけただけに見える。木造の家と家のあいだの境目に角材を渡して波形のプラスティック板を渡してある。店はすべて閉店しているようだ。なぜか大きな水槽があって緑色の水のなかに金魚が泳いでいた。
ちかくのお店の人に聞いてみると、5、6年前に火事があり、それでみんな店じまいしてしまったようだ。高齢の方ばかりで逆境を跳ね返す力がなかった模様。たいへん残念である。こういうものをもっと大事に取っておいて、風景の骨董品として珍重できないものだろうか。雑貨屋とかギャラリーとかやるととてもいいと思うのだけれど。
「このへんは『神田川』の街だから」
ともお店の人は言っていた。むかしは早稲田をはじめ、たくさんの大学生がこの界隈に「下宿」を借りていた。いまは郊外にワンルームマンションを借りる時代である。そういえば本郷でも東大生は自宅から通う東京出身者が多くなり、街がさびれていると、不動産屋さんが言っていた。