千鳥ヶ淵

projetdelundi2008-12-26

千鳥ヶ淵へ一生懸命歩いたのは、きのうのパンをはやく食べたかったからである。
お堀の上を高速道路が走っていた。何時代だかわからない景色である。外国人が見たらもっと不思議だろう。ヴェンダースの『都市とモードのビデオノート』というヨウジヤマモトのドキュメンタリーを思い出した。なんだかわからないが意味もなく首都高速の上ばかり走り回る映画だった。
高速道路を作ってもまだ水面が余るほど広い堀なんだから、たとえ忍者でも入ってこれないだろう。江戸城というのはすごいものだと馬鹿みたいに感心した。
桜の紅葉はすでに散っていた。けれども、あたたかい、晴れた日だったので悲壮感はなく、葉っぱもなにもないことが散髪に行ったあとみたいにさっぱりした感じで、気持ちよかった。
景色はいいのだが、車の騒音はこころをざわめかせてあまり落ち着くことがない。