パン・ラボ5−ベーグル

projetdelundi2009-03-01

ベーグルについてもよくわかってはいなかった。
ひとつにはベーグルがパン界のトマトだからである。野菜だか果物だかわからないトマトみたいな、パンだかおやつだかわからない代物。小麦粉の味ではなくチョコやシナモンなどフレーバーで食べてしまっていたから、ベーグル本体に関してはどれも同じようなものだと錯覚していた。
それと、食べ込んでないから座標軸を持っていないということがある。パンの本筋は、ひとつはフランス由来のバゲットやカンパーニュ、もうひとつは日本に昔からある食パンやあんぱんの世界。そうしたものから外れたなじみのない世界だから、ベーグルを食べるときには、おいしいまずいと判定するスタンスより、「へー、これがベーグルというものなのか」と感心していただけだった。わかっていないから、パンラボをする前には、いろいろ食べたからといって見えてくるものがあるのかなと不安だった。
食べ終わってわかったのは、ベーグルの流れにはふたつがあるということ。ひとつは皮ぱりぱり中身もちもち甘みじんわりのメインストリーム。荻窪の有名店ポム・ド・テールが代表的。これは日本におけるメインストリームであって、本場ニューヨークでどうなっているのかはわからない。ただ、all aboutによるとポム・ド・テールはニューヨークのベーグルと同じ味がするといわれているそうである。
もうひとつは粉の味本来を大事にする流れ。比較的ニューウェーブ。オーガニックを使ったり、天然酵母にこだわっていて、かならずしもモチモチではないし、砂糖も小麦の甘さを邪魔しないように控えめである。谷中の旅ベーグルや上北沢のkepo bagelsなどがこれにあたる。