目白散歩

projetdelundi2009-03-24


この本では教会のページのあとには教会周辺の散歩スポットと地図を掲載している。
東京カテドラルの近所は江戸川橋雑司ヶ谷・早稲田あたりだが、あえてちょっと離れた目白を紹介している。というのは古道具さかたを紹介したかったからだ。
坂田さんにはもったいないぐらいたくさんの話をしていただいた。でもその間ずっと通底していたテーマは「自分で決める」ことではなかっただろうか。
そういうとたいそうなことに聞こえるかもしれない。けれど基準は自分の弱さやダメさだということもあるかもしれない。自分にはそんなことはできない、というような。自分の性質にどこまで忠実になれるか、が感覚を研ぎすますことだったりもする。
開店以来数十年間、他人の評価や評論家やアカデミズムや同業者やマスメディアに左右されず自分だけで決めてきたという。しかしぜんぜん難しいことではないと坂田さんはいう。友達や晩ご飯のおかずやどのパンツを履くかは誰だって決めているでしょう、と。
自分にとってなにが必要で、なにが必要でないのか。それをすべて自分で決めることが、なにかを深く考えることにつながる。自分のオリジナリティになり、力になる。
教会の旅を行うごく初期に古道具さかたを取材させていただいたのだが、坂田さんの言葉はこの本を作るあいだじゅう、心の中で響いていた。