ファティマの聖母

projetdelundi2009-03-30

『修道女スタイル』の表紙になった聖母像のことをぜひ書いておきたい。
これを見たときには目を開かれた。笑っていたからである。私の知っているマリア様はやさしい表情をたたえている、あるいは微笑んでいるということはあっても、こんなにはっきりと笑っていない。このマリア様は楽しそうである。暗い気持ちのときでも、これを見ると、もっと楽しく生きていっていいんだなーと思える。
私は最近になるまで仏像に対する信仰というのはよくわからなかったのだが、あるとき美術館で見たときたいへんいいものだと思った。この静かな、落ち着いた、平和な表情で暮らしていけたらとても気分がいいだろうし、世界中の人が怒るのをやめてこういう表情になったら争いもなくなるだろう。
仏像にせよマリア像にせよそこにはこういう心持ちでありたい(こういう心持ちを持てる世界であってほしい)という祈りがこめられている。その祈りはどうやって実現していくのか(あるいはしないのか)を考えると、像を見た人にその表情(心持ち)が伝染していくことによってではないだろうか。
そういえば聖書に「いつもよろこんでいなさい」と書かれた箇所がある。パウロがいった言葉である。牧師の先生は「別にニヤニヤしていろということではない」と厳しい顔つきでいっていたが。
このファティマの聖母はブラジル製で、oxalaというネットショップを運営されている方がお持ちになっているものである。日本ではキリスト教は厳かなまじめなもののように一般にイメージされている(私もそう思っていた)が、南米の祭壇やお祭りの様子を見ると、朗らかに、楽しそうにしている。笑うことは日本人にとってはともするとふざけているように思われがちだが、南米の人たちにとっては肯定的な状態、人が本来そうあるべき状態だと思われているのかもしれない。
実際、私が出会ったキリスト教の信者さんもみんな楽しそうだった。教会にいくとやや敷居が高いこともあって緊張しがちだと思うので、本当は楽しい気持ちになる、行って実際そうなるかどうかはわからないけれど、楽しくなっていいんだと読者のかたに思ってもらえれば…という考えも、この像を表紙にしようと思った背景にはある。
これはoxalaというネットショップを運営されている方がお持ちになっていたものである。
oxalaの店主さんのblog。http://binbinzao.blog88.fc2.com/現在は更新をお休みされているようだがとてもおもしろい。ブラジルに在住し、日本で見る機会はほとんどなかったような雑貨を紹介している。このお店との出会いは私にとってちょっと衝撃的だった。フォークアートというキーワードにこれからもっと注目が集まるようになるのではないかという予感がする。oxalaのネットショップは現在工事中のよう。完成したらまたご報告しようと思う。