カトリック宝塚教会

projetdelundi2009-03-31

『修道女スタイル』を最初のページから見ていっているが今日はちょっと飛んで関西篇に。
村野籐吾は日本を代表する建築家。自由な曲面を用いた幻想的な作風で知られる。代表作は日生劇場や広島平和記念聖堂、いまはビッグカメラになっている有楽町駅前の読売会館も彼の作品。
宝塚の隣りの宝塚南口という駅で降りる。高架線のホームからおもしろい形の尖塔が見えている。
そこにつくまでにずっと見え方が変わっていく。到着し、拝観し、帰るときになっても、建物の形を自分のものにすることができない。見るたびにさまざまな表情を見せるので、教会がどういう形をしているのか、心に刻むことができないような、とらえがたい印象を持つ。不思議な建物である。
教会に毎日通う人にとっても依然として謎をはらんでいる。復活祭のある週、というからちょうどいま時分、教会の職員のかたが夕方聖堂にいると、夕方の光が窓から入ってきて、一直線に磔刑像を指したのを見てたいへん驚いたという。復活祭は毎年「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」と決められていている。キリストの死を思いながら断食などをし、長い冬を耐えたあとに訪れる春のお祭りだから、太陽とは密接に関係がある。建物について考えに考え抜く人だったから、こうした劇的な仕掛けをおそらくは狙って施したのだろう。