ショー記念礼拝堂

projetdelundi2009-04-13

教会に行ったらベンチに腰掛けて目を閉じて祈る。
といっても自己流のデタラメなやり方である。聖書の言葉など思い浮かべて頭の中を神様っぽくしたあと、感謝したり懺悔したりして、意識が日常から離れ集中が高まってきたら、そのとき思い悩んでいることなどお伺いをたててみる。
『修道女スタイル』で紹介した教会や、あるいは紹介しなかったいろんな教会で祈ることをしてみて、とても祈りやすかったのがショー記念礼拝堂である。祈りやすいというのは、集中しやすいというか、宗教的な頭の世界に入っていきやすいということで、自分のそのときのコンディションや主観性や季節や天候にも左右されるだろうから、他の人にあてはまるかどうかわからないけれど。
私が行ったのは昨年秋の、写真でわかる通り紅葉の頃。木造のやや薄暗いところにステンドグラスなどない窓から午前中の透明な光がさして日溜まりのように木の床が照らされていた。森の中にある教会なのであらゆる自然の音が聞こえてくる。薄い木の板でできているから無音という意味での静寂は存在しない。森に住む鳥の鳴き声や木の葉一枚が風にさわぐ、そうした無数のちいさなもののささやきを聴きながら祈る。祈ることは精神状態によっては困難をともなうものだが、この教会ではとても軽快な気分で神様のほうへ心が向かっていった。
どんなガイドブックにも外観の写真がのっている軽井沢の象徴のような教会ではある。赴いたとしても中に入って目を閉じたことのある人は宗教的な関心がない限りきっと少ないだろう。宣教師のショーは軽井沢という避暑地を見いだした人として知られるけれど、きっと祈りの場所、精神的な修練の場所として軽井沢を発見したのだろう。