聖パウロカトリック教会

projetdelundi2009-04-14

この前テレビの『世界遺産』を見ていたらスロバキアの木造の建物が映っていた。それがこの軽井沢の教会にそっくりで驚いた(残念なことに予告編でちらっと見ただけで本編のほうは見損なった…。)まったく同じような上が膨らんだメルヘンちっくな塔がついているのだった。
なんでもスロバキアでは王様がレンガや石で教会を造ることを禁じたそうである。あまりに立派な建物を建てて教会の権威が増すことを怖れたためだという。しかし、キリスト教徒の側はそうした弾圧に負けず、独特なスタイルの教会を創造した。
制限があるほうがおもしろいものが生まれる。だからちょっとした困難にぶつかってもすっかりやめてしまわないで、あきらめずに考える時間をとったほうがいいかもしれない。ということを最近よく思う。
この建物もアントニン・レーモンドと妻ノエミの合作である。ノエミのデザインした、背もたれを縄で編んだような椅子が本来ここに置かれていたそうであるが、老朽化したためにやむなく撤去された。そのあと写真にあるような丸太を組み合わせたベンチがここに置かれたのである。
それもノエミ・レーモンドが作ったのだと思っていたが私の勘違いで、カルロス神父様が地元の大工さんと協力して製作したものだった。それほどに違和感なくベンチはこの教会に合っている。ノエミが作ったものでいま残っているのは外の壁にある聖パウロの像である。