神の島2

projetdelundi2009-05-05

青い海と白い教会が隣りあってある、そのうつくしいコントラストはなぜこんなにも心を揺さぶるのだろうか。
海と船と岸壁、そしていくつかの住宅以外ほとんどなにもない、小さな港町の風景の中心に教会があることの不思議さ。
「長崎に行くと生活の中に教会があることがわかります」といったあの神父様の言葉を思い出した。
教会の建つ岬の、その沖の岩の上には大きなマリア像が立っている。そこは長崎港の出入り口にあたっていて、世界からやってくるあらゆる船籍の船を、マリア像は出迎え、見送っている。まるでリオデジャネイロの丘に建つあのキリスト像のような、外国のような風景が事もなしにそこにあることも不思議な気持ちになる。
撮影で訪れたとき、私たちの他に、ひとりできている旅行者らしい若い女性の姿が見え、ひとりで聖堂を覗き、そっと帰っていった。彼女はどういう目的できたのか。魂を見つめる旅をする巡礼者、というような大げさなものではないような気がしたけれど、ただの観光でこんなところまでくるとも思えなかった。
この教会には訪問者が感想を書き込むノートが置かれていた。そこには「きてよかった」「癒されました」といった言葉が並んでいた。教会を訪れることが大事な体験になるような、旅の仕方は確かにあるのだ。