神言修道院

projetdelundi2009-06-08

日本にも葡萄畑を持ちワインを作っている修道院がある。ヨーロッパでは当たり前のことのようだ。もちろんミサでは葡萄酒が必要だし、中世には修道院は大地主でもあった。いま銘酒となっているワインの中にもかつて修道院のものだった畑やワイナリーで作られているものはかなりあるそうだ。
岐阜県の多治見市にある神言修道院南山大学の母体である神言修道会が運営している。1930年に建てられた木造三階のとんがり屋根の建物はとても気品がありヨーロッパの風景のようで、本で写真を見て一目で好きになってしまった。
ここには三千坪の畑があり、ワインが作られている。老修道士らわずかな人の手によって葡萄を育て収穫し、醸造している。
先日、この修道院を訪ねた知り合いの方にワインをいただいた。フルーティでさっぱりしている中にほんのりと甘さがある。栓を開けて1日か2日して空気と混じりあったあとのほうがマイルドになっておいしいと思った。素の食パンをかじりながら飲んでいると、また別の甘さがたちあがってきて、それから粒胡椒を噛んだときのようなスパイシーさが強調された。ワインの酔いがもたらす楽しい感じには独特のものがある。たしか聖書の中に、天国とは祝宴のようなところだと書かれていたと思うが、それはこんな気分なんだろうか。
神言修道院には宿泊することができる。ただ、紹介が必要なそうである。泊まった人の話によると、簡素で、趣きのある部屋の中で、壁にかけられた磔刑像に一晩中見つめられていると、引き締まった、神聖な気分になるとのこと。冬の寒い夜で、しかし質素を旨とするゆえにか掛布団が一枚しかなく凍えて風邪を引きそうになったそうである。でもその人は私にぜひ行ったほうがいいと勧めてくれた。いつか行って、ぶどうの収穫を手伝い、そのごほうびにたくさんのワインを飲ませてもらうというのが私の夢。
神言修道院http://www15.ocn.ne.jp/~svd/
ワインは神言修道院売店やインターネット(神言修道院 ワインで検索)でも買えるようである。