テレーズとムシェット

  子供が寝たあと横でひっそりと本を読むのが好きだ。昨晩はフランソワ・モーリアックの「テレーズ・デスケルウ」を読んだ。  モーリアックは気になっていた作家の一人だが読んだことはなかった。 いろんな意味で揺さぶられる内容であり、様々な作家が下地に取り上げるのもわかる。
 日々のブログは簡単にしなければと思うので、思いついたことから書くと、このテレーズという女性は私にロベール・ブレッソンの「少女ムシェット」(映画)を思い起こさせる。 ちなみに‘ムシェット’とは‘コバエ’みたいな虐げられた呼び名である。
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二人の孤独の種類はちょっと違うし、単に不幸であることだけに共通点を見出しているわけではないと思う。それでも無理矢理結びつけてみると、監督のブレッソンは「バルタザールどこへ行く」でアンヌ・ヴィアゼムスキーを主役に出している。彼女はモーリアックの孫である。 
      
 少女のムシェットにはできることが、成人で知識を持ってしまったテレーズにはなかなか実行できない“あること”が話を面白くさせる。