ピクニッケ

ダンディゾン

吉祥寺のパン屋。何度もリピートし、もうじゅうぶん知っている味なのに、ここのパンは漫然と食べ流せない。真剣に向かい合うことを要求するように、目から舌からパンが訴えかけてくる。 素材の持ち味がぎりぎりまで引き出されていることがしっかりと感じられ…

上野

パニッック7のHPで一月のピクニッケの写真が見られます。 『パニック7ゴールド』はコンビニで売っています。

井の頭公園

皇居、小石川植物園、梅ヶ丘と渡り歩いたピクニッケ場所探しは井の頭公園に落ち着きそうだ。 井の頭公園といえば桜が有名で池のまわりにはたくさんの桜の木がある。春になったらこの枯木がすべて薄紅色で覆われるはずだ。と想像するわたしの頭のなかだけ春が…

きのうのつづき。 建物の骨董品。小石川植物園本館の建物はさしずめそんな感じだった。 ベージュの壁に焦げ茶の格子窓というカラーリング。側面から見るとその窓は単なる窓ひとつひとつでしかないのだが、正面までやってくるとそれが増殖し連続して塔全体を…

梅ヶ丘

ちかごろのわたしたちはピクニッケ場所を探す巡礼をしている。 小石川植物園で食べようと狙っていたイタリアンのデリが2月からいきなり神楽坂に移転していた。困った。 いくらいい場所いい公園をみつけてもおいしいゴハンがテイクアウトできなければピクニ…

近代建築

きのうのつづき。 いってみるまで知らなかったのだが、小石川植物園にはたくさんの近代建築が散在していた。 古ぼけた建物が雑木林や並木の彼方から不意に視界へと登場し、風景の残骸感をいっそう高めるのだった。 先日触れた旧東京医学校がそうである。『三…

温室

きのうのつづき。 古風な温室があった。廃墟の匂いがして心が騒いだ。 まだ世界旅行が珍しかったころの夢の残骸、そういう感じがした。ガラスのなかで保存されているのは植物というより、植民地を争い合った時代の帝国が見た南洋への夢である。 建物の中央部…

つつじ園

なにを見てもパリに例える悪い癖がある。小石川植物園はパリの墓地に似ている。それもモンパルナスよりペール・ラシェーズに。 すべての特徴が一致している。住宅地に忽然と現れる。丘である。空気が緩んでいる。空地のような、雑木林のような。放ったらかし…

木の上に鳥が巣をかけていた。見上げる冬の空が高かった。

東京は坂の多い町だが上がったからといって上からの眺望が保証されているわけではない。 多くは背の高いマンションによって遮られている。たとえば富士見坂という坂は多いがその場所から遠くの景色が見えていたということ自体もはや信じられないほどほとんど…

小石川植物園の入場券は門前のヤマザキパンの店で売っていた。のどかである。田舎の駅にいくと切符をそういうところで売っていることがある。 小石川植物園はなんてことのない住宅地のなかにあるなんてことのない雑木林のように外側からは見えた。なかに入っ…

井泉本店

上野広小路裏にある昭和5年創業の老舗洋食店。「箸で切れるやわらかいとんかつ」は初代店主が作り上げたもの。肉はとてもやわらかいけれど噛みごたえがないというわけではない。微妙な塩梅にこだわりがある。完全にやわらかくしてしまわないで繊維を残して…

東京岡埜栄泉

ピクニッケのお店取材で聞いたことをまとめていく。ネット上にはグルメ情報があふれているが、食べた感想がほとんどで取材に基づいたものは少ない。誰か調べるひとがいたら役に立つと思い、聞いたことをアップしておく。 豆大福が有名な岡埜栄泉の本家は上野…

続パンダ焼

ふたたびパンダ焼へ行った。 前回に続いて特別キャンペーンということでカスタード入りが販売されていた。ひょっとして毎日が本日限りなのではないだろうか。 この日はパンダ焼製造マシーンが「ハウルの動く城」風の音を立てながら稼働していた。 数珠つなぎ…

不忍池

夏に不忍池に行った。蓮がピンク色の花を咲かせていて、たくさんのひとが見物に訪れていた。 冬にふたたび訪れたときわたしは目を奪われてしまった。ずっと遠くまで褐色の枯蓮が広がっているのだった。こころが真っ白になった。 あまりに荒涼とした景色を見…

かもめ

不忍池にて。 白鳥のボートに乗るかもめがいた。羽根が付いているのにどこへも飛ばずじっと白鳥の頭のうえにのっかって池のなかをまわっていた。あー楽ちん楽ちんとか思っているんだろうか。 道行く人みんなに「あのカモメよくね?」とか言われ不忍池の話題…

おみくじ

おとといのつづき。 おみくじのはずれがたくさん結んであった。 こんなに願い事が多いのなら神様は大変だと思った。 上野東照宮の神様は元人間の徳川家康である。人間は死んだら神様になる。神様になると人間の願いを実現できる超能力を持てるのである。 わ…

上野東照宮

上野公園のなかにある神社。徳川家康が祀られていて、日光東照宮の親戚である。 たしかに日光に似て、左甚五郎の彫り物があり、本殿は中国風に赤と金をたくさん浸かった豪奢なものである。 観光地らしいにぎにぎしさと神社らしい静けさが独特に同居していて…

黄金バット

上野公園はレトロだと思っていたら紙芝居屋さんまでいた。 ヒロインのお嬢さんの台詞をいうときは 「キャー、助けて黄金バット!」 と急に裏声を出す。 そのほかいろんなギャグや解説も紙芝居の合間合間にはさんでくれるのだが、なにしろ観客が数人なので、…

パンダ焼

上野動物園の入口の横にこれぞ上野みやげというべきものを売っている。 パンダ焼というなかにあんこの入ったベビーカステラである。 パンダに見えるか見えないかのぎりぎりの線でまとめられているのがじつに滑稽かつコケティッシュ。赤と黄色の天津甘栗みた…

東照宮第一売店

上野公園はレトロである。 小さい頃親に連れられてパンダを見た頃とまるで風景が変わっていない。というより、上野の風景を見て、70年代とはこうだったんだと頭の隅っこの記憶を虫干しした感じである。 小春日和に誘われて上野公園のだだっ広い風景のなかを…

カラス

おとといのつづき。 カラスの行水を見た。 翼を羽ばたかせて水を跳ね上げたと思ったらすぐ飛び去った。 本当に短い。 たらい桶から水をかぶって盛大に水をまき散らしたと思ったらすぐいってしまう。 というようなカラスの行水をするひとの光景が、それを見た…

パリ広場

(きのうのつづき)住吉神社の脇を通り抜けて坂を上がると隅田川の広々した川面が眼前に広がった。 雨は上がっていた。黒っぽい雲に青空の穴が空いて、そこから差し込んだ冬の光が、水面に、川沿いの散歩道にあふれていた。 あたりは下町らしい景色から高層…

木造

古い家のなかにもきれいな家ときたない家があるのはどういうわけだろう。 なんでもあたらしいものがいいとおもっているわけではなく、古いものも好きなほうなので住むことはけっしてやぶさかではない。 古い木造の家なら家賃もやすいので便利で散歩のしがい…

お正月

お正月というのはいつのまにかやってくるものである。 子供の頃はそうではなかった。それはなかなかやってこないものであった。 楽しみでしかたないので毎日そればっかり考えて、こころのなかであるいは 友だち同士で、あるいは家族の前でカウントダウンして…

知られざる一面

新宿御苑に魔女の家があった。

ランドスケープ現象

うつくしいとはどういうことか? ピクニッケの連載ではうつくしい花が咲くときを選んでその場所に訪れていた。だが十二月に咲く花はない。あっても地味なわざわざ足を運んで見るほどの華やかさを有さない花である。 だから新宿御苑に訪れたとて大した感動は…

靴飛ばしゴルフ

クリスマスのピクニッケをしに新宿御苑へ。 このブログを見ているひとは「何回行ってるのよ?」という感じかもしれないけれど、下見2回本番1回の都合3回訪れた。 行くたび行くたびおもしろくてしかたない。 この写真は2回目の下見のときにいた中学生か高校1…

十一月

パニック7の新しい号が発売され十一月の小石川後楽園でのピクニッケが掲載されています。 コンビニで売っています。 カラーの写真は上のリンクからパニック7HPにて。

築地

ピクニッケの研究のため築地へ行った。 魚の匂いのする狭い路地には昼時のことでたくさんの人々が袖を摺り合わせながら行き交っていて、ベビーカーを押して通ることもままならない。 ようやくたどりついた目当ての店には行列ができていて入れない。 空腹を抱…